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余命宣告されたら何をすべき?後悔しないためにできる10のこと

「余命宣告されたら、何をすれば良いのかわからない…」
そんな風に不安や戸惑いを感じている方は少なくないと思います。
限られた時間の中で、何を優先し、どう過ごすかは人それぞれですが、後悔のない時間を過ごすためのヒントや準備があります。
この記事では、余命宣告を受けたご本人や、そのご家族が「今できること」に目を向けて前を向けるように、心と現実の両面から大切なポイントを10個にまとめてご紹介します。

1. 余命宣告とは?医師の伝える意味と背景

余命宣告とは、医師が患者さんの病状や治療経過などを総合的に判断し、「あと○ヶ月程度の命」と見込まれる期間を伝えることです。
この期間はあくまで目安であり、絶対ではないので余命より長く生きる方も短くなる方もいますが、宣告された本人や家族は計り知れない恐怖や混乱に陥ることだと思います。
しかし、限られた時間を意識して『今』を大切に生きるきっかけにもなります。

2.まずは気持ちを受け止める|涙も怒りも自然な反応

余命を知らされたとき、涙が出たり、怒りが湧いたり、何も考えられなくなったり…そのどれもが自然な心の反応です。

「なぜ自分だけが」と思って当然ですし、「何もできない自分が悔しい」と感じることもあるでしょう。
私の知人の場合はずっと『困ったな、困ったな』と繰り返していました。自身が亡くなったあと残された家族を心配する気持ちから溢れ出た言葉でした。
まずは、自分の感情を否定せずに受け入れることが大切です。

信頼できる家族や友人、医療スタッフ、カウンセラー、誰でも良いので話しをするだけでも、心は少しずつ整理されていきます。

3. 医療方針を決める|治療継続・緩和ケア・在宅医療など

余命宣告を受けた上で、残りの時間をどのように過ごしていくか考えなければいけません。
たとえば、、、

• 最後まで積極的に治療を続けたい
• 痛みをできるだけ軽減する緩和ケアに切り替えたい
• 自宅で家族に囲まれて最期を迎えたい

治療を続けるにも治療方法も複数あると思いますし、選択肢はさまざまです。
医師や家族ともよく話合い、自分にとって一番納得のいく形を選びましょう。

4. 「会いたい人」に会う|人間関係を整理するタイミング

余命を意識したとき、「あの人にもう一度会いたい」と思い浮かぶ人がいるかもしれません。
それは、家族、昔の友人、疎遠になっていた人、大切な恩師かもしれません。

今こそ、その人に連絡を取ってみましょう。
再会が、お互いの心を癒し、人生の最後のページを豊かにしてくれることがあります。

逆に、闘病中の姿を見せたくない人がいるのも当たり前のことです。
無理にすべての人間関係を整えようとせず、「自分にとって本当に大切な人との時間」に集中することが大切です。

5. やり残したことを叶える|小さな夢でも後悔しないように

「本当はやってみたかったこと」
「ずっと気になっていた場所に行きたかった」
「大好きだったものをもう一度味わいたい」

大きなことではなくても、たとえば――
• 家族と温泉旅行に行く
• お気に入りの飲食店でごはんを食べる
• 家族の誕生日を一緒に祝う

その一つ一つが、かけがえのない思い出になります。ご家族や支援者に思いを伝えないと伝わらないことはたくさんありますよ。
遠慮せずに思いを口に出してみましょう。実現できることは意外と多くあります。

6. 家族や大切な人と過ごす時間を優先する

人生の最後の時間で、本当に価値があるのは「人との時間」です。
寄り添ってくれる家族や何気ない会話をしてくれる友人。その存在が何よりの支えになるはずです。

普段言えなかった「ありがとう」「ごめんね」「大好きだよ」といった言葉を
いまだからこそ、伝える勇気をもってみてください。

そうした言葉や時間は、自分にも、家族にも、ずっと心に残る宝物になります。

7. エンディングノートを書く|気持ち・希望・メッセージを残す

エンディングノートとは、「自分の気持ち」や「希望」「メッセージ」「連絡してほしい人」などを記録しておくノートのことです。法的効力はありませんが、家族が迷わずに行動できる大切な手がかりになります。

書く内容の例:
• 葬儀やお墓の希望
• 伝えておきたい感謝の言葉
• 銀行や株、保険などの情報
• 大切な思い出やエピソード

書きながら、自分自身の気持ちが整理されていくこともありますし、文字が書けるうちにノートにまとめておくことも大切です。

8. 葬儀やお墓など「死後の希望」を伝えておく

「どんなお葬式にしたいか」「お墓はどうしたいか」などは、言い出しにくい話かもしれません。
けれど、こうした希望を事前に伝えておくことで、残された家族が迷わずに済みます。

たとえば――
• お葬式は小さく静かにしてほしい
• お骨は海に散骨してほしい
• 音楽や花の演出にこだわりたい
• 遺影はこの写真を使ってほしい
• 葬儀はあの人に参列してほしい


このようなことも、伝えておくとご家族の負担を減らすことができます。余命宣告をされた状況で家族や周りの人からは聞きにくい話題になります。口頭でもいいですし、エンディングノートに書き残しておくのもおすすめです。

9. 大切な手続き・財産整理の準備|遺言書や相続の話

現実的なことですが、「もしもの後」の準備も重要です。
財産や相続に関することをきちんと整理しておくことで、家族間のトラブルを防ぐことができます。
• 銀行口座や保険の情報をまとめておく
• 遺言書を作成する(法的に有効な形で)
• 相続人に伝えておきたいことを書く
• パスワードやSNSアカウントの管理

税理士や司法書士などの専門家に相談するのもひとつの方法です。自分がいなくなった後も、家族が安心して過ごせるよう、こちらも話せるうちに、文字が書けるうちにできる準備をしておきましょう。

10. 心のケアと支えを求める|宗教・カウンセリング・看取り

心の不安や孤独に向き合うとき、自分ひとりで抱え込まないことが大切です。
• カウンセリングやグリーフケアを受ける
• お坊さんや牧師など宗教者に話を聞いてもらう
• 看取り士や終末期医療の専門スタッフに相談する

こうした「心の支え」があるだけで、気持ちが軽くなることもあります。
人生の最終章を穏やかに、そして自分らしく過ごすために、専門家の力も遠慮せずに借りましょう。

余命宣告を受けたとき、すぐに前向きにはなれないかもしれません。絶望で目の前が真っ暗になり、何も考えられないかもしれません。
でも、「限りがあるからこそ、いまこの瞬間が尊い」と気づけることがあります。

大切なのは、残された時間を「どう生きるか」。
大きなことをしなくても、愛する人と笑い合い、感謝の気持ちを伝えるだけで十分です。

あなたの思いや願いが、かけがえのない形で周囲に伝わりますように。